インド自動車市場が急ブレーキ、7月の乗用車販売台数は31%減
ニューデリー(CNN Business) インドの自動車市場に急ブレーキがかかっている。インド自動車工業会(SIAM)が13日に発表した7月の乗用車の販売台数は前年同月比31%減だった。31%減は約18年ぶりの落ち込み。前年割れも9カ月連続となった。
SIAM幹部によれば、大幅な落ち込みで業界全体に影響が及んでいる。
インドの自動車市場は最近まで好調で、乗用車の年間販売台数は過去5年で約33%増加した。
韓国の現代自動車や現代自傘下の起亜自動車はインドでのシェア拡大に向けて数十億ドルの投資を行っている。中国の上海汽車集団(SAIC)もインド市場に食い込もうとしている。
販売が落ち込む前までは、インドは2020年までにドイツと日本を抜いて、世界3位の自動車市場になるとの見方も出ていた。
しかし、今では、大手自動車メーカーも苦境にあえいでいる。新しい安全基準や排ガス規制により価格が上昇しているほか、金融機関の貸し渋りや全体的な景気の減速などにより、消費者が支出に後ろ向きになっている。
マルチ・スズキは、インドの乗用車市場で約5割のシェアを誇るが、7月の販売台数は36.7%の減少だった。タタ・モーターズも31%の減少だった。
自動車販売の落ち込みを受けて、人員の削減も進んでいる。SIAM幹部によれば、販売店と部品メーカーの2部門で33万人超が解雇された。インドの自動車メーカーでも少なくとも1万5000人の臨時職員が解雇された。新規採用も全面的に止まっている状況だという。
自動車業界は政府へ過去にもあった救済を要請しており、自動車にかかる税金の引き下げなどを求めているという。