カールスバーグ、ビール用紙パックの試作品をお披露目
ニューヨーク(CNN Business) デンマークのビール大手カールスバーグは10日、紙パック入りビールを売り出すという目標に向けて、木質繊維を使ったリサイクル可能なビール容器の試作品を発表した。
2種類の試作品のうち1つでは、リサイクルされたPETプラスチックの薄膜をかぶせてビールがしみ出すのを防いでいる。もう1つはバイオ素材を使って表面処理を施した。
新しい容器の開発には、環境への影響を抑え、消費者に新しい選択肢を提示する狙いがある。
繊維製のボトルは持続的な調達が可能なことからアルミやガラスに比べて環境に優しく、生産工程での影響も非常に小さいと同社は説明している。
カールスバーグは2015年から新しい容器の開発に着手しているが、実用化までには少なくともあと数年はかかる見通し。紙製ボトルの開発に時間がかかっているのは、炭酸飲料の味が変わらないようにしなければならないことや、バイオ素材ポリマーのような同社が求める素材が市販されていないことによる。
カールスバーグは開発を進めるために、パッケージの専門家や他社とも手を組んでいる。10日には、実用的な紙パッケージの開発を目指してウォッカ大手のアブソルートや飲料大手のコカ・コーラ、化粧品大手のロレアルと提携すると発表した。
ただしカールスバーグは缶や瓶を新しい容器に入れ替えることは望んでおらず、消費者のための新しい選択肢を提示したい意向だという。
こうした新しい容器の開発には他社も力を入れている。ペプシコとコカ・コーラはそれぞれ、プラスチックの使用を減らすためにアルミ缶入り飲料水の販売に乗り出す計画を発表。アディダスはリサイクル可能なスニーカーの開発を進めている。