英ダイソン、電気自動車の開発事業から撤退 採算の見通し立たず
ロンドン(CNN Business) 英家電企業「ダイソン」は13日までに、新規に参入していた電気自動車(EV)の開発事業に触れ、採算が取れる見通しがないとして撤退する方針を発表した。
EV事業への進出は2017年に打ち出され、米大手「テスラ」など既存の競合企業に挑戦するとしていた。事業総額は30億米ドル(約3240億円)を想定。シンガポールに工場を建設し、2020年までの稼働開始を見込んでいた。
ダイソンは、EV事業の売却を模索したが買い手が見つけられなかったともした。同社は最新技術を駆使した掃除機やドライヤーなどで有名。
EV事業からの撤収を受け関連部門の従業員は他の部署などに配属する計画。適切な転属先を見つけられなかった従業員も公正に支援するとした。
ダイソンは、技術者たちは素晴らしい車を創造したと強調。同社創業者で富豪のジェームズ・ダイソン氏は社員向けのメッセージでもはや商業的に成り立たせる方途を見出せなかったと認めた。
ダイソンのEV進出については当初から自動車の技術的な蓄積がない企業の成功を危ぶむ声が自動車業界などから出ていた。