米原油24%急落、20ドル台に 2002年以来の安値
ニューヨーク(CNN Business) 18日の米原油相場は、景気後退懸念が高まっていることを背景に24%急落し、1バレル=20.37ドルと2002年2月以来の安値を付けた。
この日は終日売りが続き、午前の時点で9%だった下落率は午後までに倍以上となった。新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済への打撃に警戒感が強まっていることを映した値動きとなった。
猛烈な売りの背景には、供給過剰に需要縮小が重なる厳しい現状がある。一時は好調だった米石油業界も痛手を被っている。
新型コロナウイルスの流行により世界の旅行産業は崩壊状態となり、一時は旺盛だった石油需要にも影響が及んできた。航空便は運休が相次いでいるほか、クルーズ船業界もまひ状態にある。高速道路に車の影はなく、工場も操業停止が目立つ。
こうした中、ロシアとサウジアラビアは、原油価格の安定を図る役割から降りる判断を下した。
先の協調減産協議では、安価な原油を大量供給して高コストな米国のシェール生産者を採算割れに追い込む狙いから、ロシアが減産を拒否。これに対し、サウジは価格引き下げや生産量の増大など、市場の安定に必要な措置とは正反対の動きに出た。
ライスタッド・エナジー社のアナリストはメールで「原油価格は連日底値を更新しているような状態だ」「我々は石油市場に原子爆弾級の衝撃が広がるのを目撃している」と危機感を示した。