インド、中国企業との640億円規模の取引を停止 国境での衝突受け
ニューデリー/香港(CNN Business) インド当局は24日までに、中国企業との間で進めていた6億ドル(約640億円)を超える規模の取引を一時停止することを明らかにした。インドと中国との間では先ごろ、ヒマラヤ山脈の係争地で軍同士の衝突があり、インド側の兵士20人が死亡していた。
インド西部マハラシュトラ州の当局者は22日、中国企業3社との事業契約を見直していると発表した。契約をどのように進めるのか、あるいは打ち切る可能性も含めて、インド政府から明確な方針を求める考えだという。
先週発表されたこれらの契約は準備段階のもので、地方政府が主導する取り組みの一環。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けたインド経済の回復を促す目的がある。
成立が危ぶまれている契約の中で最大規模のものは、自動車メーカーの長城汽車との間で結んだ事業提携だ。インド当局によると契約額は5億ドル近くに上るという。
その他の契約には、北京に拠点を置く商用車メーカーの福田汽車などが関係している。同社はすでにインドの電気バス会社PMIとジョイントベンチャーを立ち上げている。
当局は契約の停止によって影響を受ける可能性のあるインド企業を明らかにしていないが、先週の発表時点では、米ペプシ製品の国内供給業者や有力な不動産開発業者の名前が挙がっていた。
元来、インドと中国の経済的な結びつきは強い。インドにとって中国は最大の輸入相手国であり、中国の大手テクノロジー企業はインドで最も力のあるスタートアップ企業に莫大(ばくだい)な投資を行っている。