米コロナ禍、黒人所有の店舗により大きな打撃 NY連銀
ニューヨーク(CNN Business) 米国で黒人が所有する店舗は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、他の人種の店舗よりもかなり大きな痛手を被ったことが分かった。ニューヨーク連邦準備銀行が明らかにした。
同行は5日、コロナ禍が全国の店舗所有者にもたらした打撃に関する調査報告を公表した。それによると今年の2月から4月にかけ、黒人が所有する店舗は推計で41%が閉店に追い込まれた。これはカリフォルニア大学サンタクルーズ校が6月に発表した研究結果にも近い数値となっている。
同時期に閉店した中南米系が所有する店舗は全体の32%、アジア系は26%だった。一方で白人所有の店舗は17%程度しか閉店していなかった。
報告の著者らは、貯蓄が乏しいこと、国からの融資といった資本へのアクセスが少ないこと、感染拡大前から存在した資金不足などが上記の格差を引き起こしていると指摘する。
米国における新型コロナの感染率や死亡率は、全国民の中で黒人層が際立って高い。しかしニューヨーク連邦準備銀行は、感染抑止を意図した経済封鎖もまた、黒人の店舗所有者に甚大な影響を及ぼしたと分析。とりわけ大都市でそうした傾向がみられたとしている。
米国には3000の郡が存在するが、黒人所有の店舗の4割はこのうちのわずか1%に相当する30郡に集中。黒人所有の企業は、黒人の集団がより多く住む大都市圏に集中する傾向がある。
調査によると、黒人の店舗の3分の2は感染者数が極めて多い地域で営業している。
ニューヨーク連邦準備銀行の幹部は声明で、新型コロナ発生率の高い地域と黒人所有の店舗の経営状況との間には厄介な相関があることが示されたと語った。