米シティバンク、手違いで送金した185億円回収できず ヘッジファンドを提訴
ロンドン(CNN Business) 米銀行大手シティバンクが、ヘッジファンドのブリゲード・キャピタル・マネジメントに手違いで送金した1億7500万ドル(約185億円)の資金を回収できなくなっている。
シティバンクは17日、この資金の返還を求める訴えをニューヨーク州の裁判所に起こした。送金は「運用上の手違い」だったとしている。
シティバンクの裁判書面によると、化粧品会社レブロンに対してブリゲード・キャピタルが行った融資の利息として、同社には約150万ドルを送金するはずだった。ところが手違いで、そのおよそ100倍の金額を送金してしまった。レブロンの他の債権者も、手違いで送金された計9億ドルあまりを受け取った。
シティバンクはレブロンへの融資の幹事会社を務めており、ブリゲード・キャピタルが手違いで送金された資金の返金を拒んでいると主張している。
ブリゲード・キャピタルはCNN Businessの18日の取材に対してコメントを避けた。シティバンク側は、ブリゲード・キャピタル側の対応は「不道徳」だとして、同社に返金を命じるよう裁判所に求めている。
レブロンは2016年、米化粧品会社のエリザベスアーデンを買収した。この買収のための18億ドルの融資は、一部をブリゲード・キャピタルが負担していた。信用契約に基づき、シティバンクはレブロンから資金を回収して貸し手に支払っている。