水素燃料で飛行する旅客機、2035年までに実用化へ 欧州エアバス
ロンドン(CNN Business) 欧州航空機メーカー大手のエアバスは21日、水素燃料を主要な動力源として飛行する旅客機を2035年までに実用化するとの計画を発表した。世界初のゼロエミッション(温室効果ガス排出ゼロ)の商用機となるという。
エアバスは同日、3種類のコンセプト機を公開した。
エアバスのフォーリ最高経営責任者(CEO)は商業航空機部門にとって歴史的な瞬間だと述べ、業界が目の当たりにする最も重要な移行についてエアバスが主導的な役割を果たす意図があると語った。
ターボファンのデザイン/Airbus
二酸化炭素(CO2)の排出をめぐっては航空業界や航空機メーカーに対する圧力が強まっている。一部政府は新型コロナウイルスに関連した救済策と気候変動に対処する目標とを結びつけている。新型コロナウイルスの感染拡大によって航空業界はこれまでにない落ち込みを見せており、このことが再生可能エネルギーへの移行を加速させるとの見方も出ている。
エアバスが今回発表したコンセプト機「ZEROe(ゼロイー)」は、ターボファンをはじめ、ターボプロップ(プロペラ)、機体と翼が一体化したモデルの3種。
機体と翼が一体化したモデル/Airbus
ターボファンのモデルは120人から200人を乗せることができ、約3700キロを飛行できる。改良されたガスタービンエンジンは水素燃料を利用する。
ターボプロップのモデルは最大100人が搭乗して飛行距離は約1800キロ超と短距離の飛行に適している。機体と翼が一体化したモデルは200人乗りとなる見通し。