レムデシビル、新型コロナ治療薬として米FDAが初承認
(CNN) 米製薬大手ギリアド・サイエンシズは22日、米食品医薬品局(FDA)が新型コロナウイルス治療薬として「レムデシビル」を承認したと発表した。
レムデシビルはベクルリーの製品名で販売され、これまで緊急使用許可に基づいて使用されていた。FDAによる新型コロナウイルス治療薬の承認は初めて。
ギリアド・サイエンシズによると、ベクルリーは新型コロナウイルス感染症で入院が必要な患者のための治療薬として、成人および12歳以上で体重40キロ以上の子どもに使用できる。使用が認められるのは、病院あるいは入院治療に匹敵する救急対応ができる施設のみ。
レムデシビルについては世界保健機関(WHO)が今月に入り、新型コロナウイルス感染症で入院した患者を延命させる効果や、回復を早める効果は認められなかったとする臨床試験結果を発表していた。一方、米国での試験では、一部の患者について回復期間を約3分の1早める効果が確認されていた。
FDAは製薬会社から提出されたデータに基づき承認するかどうかを検討する。ギリアドが米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに提出した論文では、患者の入院期間を平均で約15日から約11日に短縮する効果が認められたとしていた。
FDAはさらに、別の2つの研究についても考慮した。このうち1件はレムデシビルにわずかな効果を認め、もう1件はほとんど効果を認めていなかった。
FDAのハーン長官は声明を発表し、「本日の承認は、当局が厳密に評価した複数の臨床試験データに裏付けられている」と強調した。