日中韓など15カ国がRCEPに署名 世界最大規模の自由経済圏が誕生
香港(CNN Business) 日本と中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など計15カ国が15日、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に署名した。世界人口の3割近くを占める自由貿易経済圏が誕生する。
RCEPには日中韓とインドネシア、タイ、ベトナムなどのASEAN加盟10カ国、オーストラリアとニュージーランドが参加。多くの品目で関税の撤廃や削減を進める。
昨年の統計によると、参加15か国の国内総生産(GDP)は計26兆ドル(約2700兆円)に上り、貿易額の合計は世界の28%近くを占める。
参加国は共同声明で、この協定がパンデミック後の経済回復に重要な役割を果たすと述べた。
RCEP交渉には当初インドも参加していたが、昨年11月に撤退した。一方、中国とオーストラリアの間では外交、経済面で緊張が高まるなか、両国ともアジア諸国との関係強化による利益が大きいとの判断に至ったとみられる。
専門家らはRCEPの誕生により、世界の経済の中心がアジアへ移る流れはさらに加速するとの見方を示す。米中間の貿易摩擦や主導権争いにどんな影響が及ぶかは米国の出方しだいとの意見もあり、バイデン次期政権の対アジア政策に注目が集まっている。