米FRB、ゼロ金利を維持 経済下支えへあらゆる手段駆使
ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、政策金利をゼロ付近に据え置くとともに、いまだ回復途上にある米経済を支えるため、引き続きあらゆる手段を駆使すると表明した。FRBのコンセンサス予測によると、利上げは少なくとも来年まで見送られる見通し。
ただ、FRBはこれまでよりややタカ派的な姿勢も示し、「もしリスクが出現すれば、金融政策のスタンスを適切に調整する」用意があると述べた。
こうしたリスクの一つとなる可能性があるのがインフレ急伸で、FRBは今後数カ月以内に一時的ながらインフレ率が上昇すると見ている。この他のリスク要因としては、公衆衛生や労働市場、金融市場の状況が挙げられる。
FRB当局者の予想では、物価上昇率は今年12月までに2.4%に達する見通し。これは昨年12月時点での1.8%という予想を上回り、FRBがインフレ目標とする2%付近をやや超える値となる。
ただしFRBによると、物価上昇は一時的となる見通しで、懸念すべき理由はないという。
投資家の間では現在、FRBはインフレ急伸に対応するため、市場期待より早い利上げに踏み切らざるを得なくなるとの懸念が出ている。こうした懸念を背景に米国債の利回りは上昇を続け、17日には1.67%と13カ月ぶりの水準に高まった。ただ、FRBの発表後、利回り上昇は一服している。
これを受け、株価は史上最高値を更新し、ダウ工業株平均は史上初となる3万3000ドル台で取引を終えた。
「ドットプロット」と呼ばれるFRBのコンセンサス予測によると、21年内の利上げは見込まれていないものの、FRB当局者のうち4人は22年中の利上げを予想している。