米航空大手、アルコール提供の再開見送り 乗員に対する暴行受け
ニューヨーク(CNN Business) 米アメリカン航空がサウスウエスト航空に続いて、アルコール飲料の機内サービス中止を延長すると表明した。サウスウエスト航空の客室乗務員が乗客に暴行されて重傷を負った事件を受けた措置。
アメリカン航空は客室乗務員への通知の中で、「乗務員に対する暴行や不当な扱いは容認しない」と強調している。
航空各社は乗客と乗員の間のトラブルを防いで機内安全を徹底させる目的で、2020年3月から機内のアルコール販売を中止しているが、アメリカン航空はこの措置を9月13日まで継続する。この期限は米運輸保安庁(TSA)のマスク着用義務付けが解除される日と一致する。
TSAは空港や旅客機、駅、列車、バス、船舶を利用する乗客に対してマスク着用を義務付けている。当初は5月11日で終了予定だったが、9月まで延期した。
アメリカン航空は5月1日から、国内便のプレミアムクラスでアルコールを含む飲料サービスを再開しており、ファーストクラスとビジネスクラスでは引き続き、アルコール飲料の提供を機内でのみ継続する。普通席では当初6月1日からアルコール飲料の販売を再開する予定だったが、この予定を見合わせる。
客室乗務員への通知では「アルコールは乗客の異常な挙動の原因となることがある。我々には乗員のために、ただでさえ乗客にとって新しくストレスの多い状況を悪化させない責任がある」とした。
サウスウエスト航空で起きた事件では、女性乗客が客室乗務員を殴って重傷を負わせたとして5月23日に暴行容疑で逮捕された。
この事件を受けてサウスウエスト航空は、アルコール飲料の機内サービス再開予定について再検討し、無期限でサービス提供を中止した。