印GDP、4~6月期は20.1%増 依然としてコロナの影響大
ニューデリー(CNN Business) インドの2021年4~6月期の国内総生産(GDP)が発表され、前年同期比20.1%増と、過去最高水準の伸びを見せたことがわかった。しかし、インドでは依然として新型コロナウイルスが猛威を振るっており、経済活動も新型コロナウイルス流行前の水準には回復していない。
今回のGDPの大幅な伸びは2020年の経済活動の落ち込みからの反動だ。インドのモディ首相は昨年、インドに対して世界でも最も厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入した。経済活動や旅行は数カ月にわたって制限され、インドは数十年ぶりにリセッション(景気後退)入りした。
GDPは20年4~6月期、24%の減少だった。
インドが年初に経済活動の大きな落ち込みから抜け出そうとしたところ、「第2波」に見舞われた。専門家は、このときの流行は現在世界中に拡散しているデルタ変異株によるものとみている。インドでは数週間にわたって、毎日、数千人の新型コロナウイルス関連の死者が報告された。
モディ首相は感染が急拡大しても全国的なロックダウンの再施行には抵抗する姿勢をみせたが、これは数百万人の人々が貧困層へ逆戻りするのを避けるための戦略だった。このことから、今春の感染拡大による人的コストが多大なものであっても、感染件数が減少し始めれば経済活動は急速に回復した。
それでも、第2波は経済活動に大きな重荷となった。インドは公式には前四半期と比較したGDPのデータを公表していないが、キャピタル・エコノミクスの試算によれば、4~6月期のGDPは前四半期と比較して12%減少したとみられる。この落ち込みは歴史的にみても非常に大きく、予測を上回るものだったという。