米フォード、インドでの生産終了を発表 10年で2200億円超の損失
ニューヨーク(CNN Business) 米自動車大手のフォード・モーターは9日、インドでの生産を終了すると発表した。同国での事業は過去10年で20億ドル(約2200億円)を超える損失を計上してきたという。
発表によると、同社は約4000人の従業員を解雇する見通し。生産は直ちに終了するという。ファーリー最高経営責任者(CEO)は今回の措置について「困難だが必要なもの」であり、長期的な成長を念頭に置いていると説明した。
「インドにはかなりの投資をしてきたにもかかわらず、過去10年で営業損失が20億ドル超にまで膨れ上がった。新車の需要も予想よりはるかに弱いままだ」(ファーリー氏)
同社のインド部門責任者は、長期的な採算性の実現に向け持続可能な道筋を見つけられなかったと述べた。決定に関しては長年にわたる損失の積み上げと業界内の過剰生産が続く現状、インド自動車市場の成長が見通せないことが決め手になったとした。
フォードは1995年にインドでの事業を開始。以来20億ドルを超える資金を同国に投じてきた。サナンドとチェンナイにある2つの工場は向こう数カ月で閉鎖する。影響を受ける従業員とは「緊密に協力」していく方針だという。
同社は「世界経済とビジネス環境とが根本的に変化した」との認識も表明。原因の一部に新型コロナのパンデミック(世界的大流行)を挙げた。