マスク氏、テスラ株を100万株近く売却 税金の支払い原資捻出のため
ニューヨーク(CNN Business) 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が8日付で、同社株を100万株近く売却したことがわかった。まずストックオプション(新株予約権)を行使した後、株式取得にかかる税金の支払い原資を調達するため、購入した株式の一部を売却した。
今回行使したオプションは、来年8月までに行使する必要がある分の約9%に当たる。それまでに行使しなければ購入オプションは失効するが、権利を行使した場合、37%の最高税率に基づく10億ドル(約1100億円)の連邦所得税に加え、約3.8%の純投資税が課せられる。
また、マスク氏は州所得税のないテキサス州に転居しているものの、以前の居住地であるカリフォルニア州の所得税もかかる。金額は不明だが、カリフォルニア州の所得税率は全米で最高の13.3%に上る。
マスク氏は先週末にツイッター上で行った投票で、テスラ株売却を始めるべきかどうか支持者に尋ねていた。ただ、当局への届け出によると、今回の売却の唯一の動機は「ストックオプション行使に関連する源泉徴収義務を果たすため」だったという。
マスク氏が納税のため株式を売却する必要があることは以前から知られていたが、一部の投資家はツイッターでの投票を受け、マスク氏は予想以上の株数を売却する意向だと解釈し、テスラ株は下落していた。
だが10日夜の届け出では、マスク氏は今週から来年8月にかけてストックオプションを行使する際、取得株2290万株をすべて売却するつもりはないことが示唆されている。納税に必要な最低限の株式の売却にとどめる計画とみられる。
マスク氏のテスラ株保有数は一連の取引の結果、取得株数から売却株数を差し引いた120万株増加した。今回の届け出を受けてテスラ株は時間外取引で2.7%上昇している。