イーロン・マスク氏、5700億円分のテスラ株売却
ニューヨーク/香港(CNN Business) 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が今週、約50億ドル(約5700億円)相当の同社株を売却したことがわかった。同氏は最近、保有する同社株の1割を売却すべきかどうかについて、ツイッターでユーザーに投票を求めていた。
米証券当局への提出書類によると、マスク氏は8日、ストックオプション(自社株購入権)を行使し、受け取った210万株の半数を売却。この取引に関連する納税資金約11億ドルを調達した。
マスク氏はさらに9日と10日に360万株を売却。売却の平均価格は1株約1082ドルで、総額約39億ドルとなった。8日の平均価格は1180ドルだった。
8日の売却の目的は「ストックオプション行使に関連する源泉徴収義務を果たすため」としている。その他の売却については特定の目的が示されていない。
マスク氏が行使したオプションは、来年8月までに行使期限を迎える分の約9%に当たる。この9%の行使でマスク氏は10億ドルの連邦税の支払いが必要となる。連邦所得税の最高税率は37%で、さらに純投資税3.8%もかかる。
マスク氏が納税目的で株式の売却が必要なことは投資家の間で周知のことだった。ただ、ツイッター上の投票結果を受けて想定以上に売却するのではないかとの懸念が広がり、テスラ株は下落した。マスク氏が8日と9日に450万株を売却したことも両日の株価下落の要因となった。
マスク氏がツイッターの投票結果に従い保有株式の1割を売却する場合、今後さらに売却が続くことになる。これまでにマスク氏が売却した株式は8日のオプション行使後で保有株全体の2.6%にとどまっている。