ボディースプレーに発がん性物質、独立機関の検査で検出 P&Gはリコール発表

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自主的なリコールの対象となったボディースプレー製品の写真/Business Wire

自主的なリコールの対象となったボディースプレー製品の写真/Business Wire

(CNN) 市販の制汗スプレーやデオドラントスプレーから、基準値を超す発がん性物質のベンゼンが検出されたとして、独立系の研究機関がリコールを求める嘆願を11月に米食品医薬品局(FDA)に提出した。検査は30ブランドの制汗スプレーやデオドラントスプレー108製品を対象に実施し、半数以上でベンゼンが検出されたとしている。

FDAによると、ベンゼンは「許容できない毒性」をもつ溶剤に分類され、医薬品や製品の製造に使うことが禁止されている。

しかし新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、FDAは「一時的」な措置として液体手指消毒剤にベンゼンの使用を認め、上限を2ppmとした。

米環境保護局(EPA)が設定している飲料水のベンゼンの上限は5ppbとそれより大幅に低い。同局はさらに、「ベンゼンが白血病を引き起こすこともあるため、飲料水や河川・湖などの水に含まれるベンゼンは0ppbを目標とする」としている。

米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は先週、「慎重を期すための措置」として、「オールドスパイス」と「シークレット」の制汗スプレー17種類のリコール(自主回収)を発表した。

検査を実施した独立系の研究機関バリシュアによれば、同社以外にも多数のメーカーの製品から2ppm以上のベンゼンが検出されているが、まだリコールは発表されていない。

CNNはベンゼン検出が指摘された企業の対応について取材している。このうちバリシュアの検査で制汗スプレー「スアーブ」から2ppm以上のベンゼンが検出された日用品大手のユニリーバは、電子メールでコメントを寄せ、「安全性に関する懸念は全て深刻に受け止め、2つのスアーブ制汗剤に関してバリシュアが嘆願で主張した内容について徹底調査を行っている」とした。

現時点でそれ以外の企業からは返答がなかった。日用品メーカー600社でつくる業界団体のPCPCは声明を発表。「ベンゼンはボディースプレー製品に意図的に添加された成分ではない。だがそれが食品や医薬品に非常に低い値で含まれる可能性があることは、FDAも製造業者も認識している」とした。

P&Gはリコールの発表の中で、同社の製品による健康被害などの報告はないと説明。リコール対象の製品を毎日使ったとしても、同社の検査で検出された水準のベンゼンであれば、健康に悪影響が出ることは予想できないと強調した。

一方、バリシュアの検査では、P&Gの一部製品から懸念すべき水準のベンゼンが検出されていた。バリシュアのデービッド・ライト最高経営責任者(CEO)によると、「オールドスパイス」シリーズの「ピュアスポーツ」2製品には、平均で17.7ppm、17.4ppmのベンゼンが含まれていたという。

P&Gの「シークレットパウダーフレッシュ」からは平均で約16ppmが検出された。

バリシュアの検査で最も高い値のベンゼンが検出されたオールドスパイス・ピュアスポーツは、消費者がやるように、締め切った浴室で両わきの下に1回ずつスプレーして検査した。そうすることで、「白血病のリスクが高まるとEPAが指摘した上限の15倍の量が浴室に充満する恐れがある」とライトCEOは話している。

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