ボーイングとエアバス、米政権に5G運用開始の延期を要請
ニューヨーク(CNN Business) 米政権が1月5日に予定している第5世代移動通信システム(5G)の運用開始について、航空機大手のボーイングとエアバスは22日までに、安全システムへの悪影響が懸念されるとして延期を要請した。
ボーイングのカルフーン最高経営責任者(CEO)とエアバス・アメリカのニッテルCEOが、ブティジェッジ運輸長官に書簡を送った。
問題になっているのは、民間機の操縦士が視界の悪い状況で着陸する際に使うレーダー高度計。連邦航空局(FAA)は今月、5Gが高度計などに干渉する恐れがある低高度の飛行では、自動着陸システムなどを使わないよう緊急の指示を出していた。
専門家らによると、この影響で年間数十万本のフライトが遅れたり、行き先の変更を強いられたりする可能性がある。
両CEOは書簡の中で、空港周辺では5G通信の出力を制限する案を用意したと説明。バイデン政権に対し、連邦通信委員会(FCC)と協力してこの案を採用するよう求めた。
書簡はまた、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、航空業界が厳しい状況にあることにも言及している。