日米などが石油備蓄6千万バレル放出、ウクライナ侵攻による価格上昇受け
(CNN) 米ホワイトハウスと国際エネルギー機関(IEA)は1日、日米などが石油備蓄6000万バレルを放出することで合意したと発表した。各国首脳は、ロシアによるウクライナ侵攻がガソリン価格に与える影響を緩和しようと模索している。
6000万バレルのうち半分の3000万バレルは米国が戦略石油備蓄から放出する。残りの半分は欧州やアジアの各国が負担する。今回の協調放出には、ドイツや英国、イタリア、オランダ、そのほかの欧州の主要国や、日本、韓国が参加する。
IEAは声明で、加盟国が石油備蓄の放出で合意したと指摘。ロシアによるウクライナ侵攻によって石油不足に陥ることはないということを示す強いメッセージを世界の石油市場に送るものだと述べた。
ホワイトハウスは声明で、今回の石油放出について、世界各国のパートナーがロシアによるいわれのない不当なウクライナ侵攻を非難し、プーチン大統領が戦争を選択した影響について一致して対応しようとするもう一つの事例だと指摘した。
ただ、石油市場の反応は鈍かった。米原油価格は1日午前、1バレルあたり105.14ドルの値を付け、2014年以来の高値となった。世界の石油市場の指標となる北海ブレント原油の先物価格も約8%値上がりして1バレルあたり105.40ドルとなった。
RBCキャピタル・マーケッツのグローバル・エネルギー・ストラテジーのマネジングディレクター、マイケル・トラン氏は、今回のような一時しのぎのような対応では市場を落ち着かせるには不十分だとの見方を示した。
ウクライナ侵攻によってロシアからの石油の供給に混乱が生じるとの懸念が出ている。ロシアは世界2位の石油輸出国。