欧州、ロシアからの天然ガス輸入を今年中に66%削減へ
ロシアの膨大なエネルギー輸出は、プーチン大統領のウクライナ侵攻命令を受けて西側諸国が科した前例のない制裁から切り離されていた。
しかしバイデン米政権は8日、ロシアの石油、天然ガス、石炭の輸入を全面的に禁止すると発表した。英国政府も22年末までにロシアからの石油輸入を段階的に停止し、天然ガス輸入の停止方法も検討すると発表した。
EU首脳は今週、まだ米国と共にロシアの石油を禁止することはできないと明言していた。すでに燃料価格や暖房費の記録的な高騰に苦慮している家庭や企業への影響が考えられるためだ。欧州は、米国や英国よりもはるかに多くのエネルギーをロシアから得ている。
しかし欧州は、ロシアのウクライナ侵攻によって激化した経済戦争において、ロシア政府がエネルギーを盾にする可能性を減らすために、迅速に行動する必要があることを認識している。
ロシアのノバク副首相は7日、ドイツ政府が新しい天然ガスパイプラインのプロジェクト「ノルドストリーム2」を停止したことへの報復として、ノルドストリーム1パイプライン経由でのドイツへの天然ガス供給を止める可能性があると述べた。
エネルギーの自立を目指すEUの指導者たちは、供給を確保し、家庭や企業を価格高騰から守ると同時に、EUが30年までに炭素排出量を55%削減し、50年までにネットゼロにするという気候変動目標を確実に達成する方法を見いだす必要がある。
欧州委員会の計画では、再生可能エネルギー導入の加速に加え、液化天然ガスの輸送を含む代替供給源の活用、バイオメタンと再生可能な水素の生産・輸入の増加、エネルギー消費を抑えるための建物の改修を呼びかけている。
国際エネルギー機関(IEA)は先週、欧州は1年以内にロシアのガス輸入を大きく減らすことができ、同時に「安全かつ安価な方法」でクリーンエネルギーへの転換を加速させることができると述べた。