ロシア、降伏狙い都市爆撃の構えか 民間人被害拡大の懸念 欧米当局者
(CNN) 西側情報当局の高官はCNNに対し、ウクライナの戦況を注視する米国や北大西洋条約機構(NATO)当局者の見方として、ロシアが今週から戦略を変更しており、現在は都市を爆撃して降伏を迫る構えとみられると明らかにした。民間人に甚大な被害が出る可能性があるという。
この当局者は「より重い兵器は重量が大きいだけでなく、与えうる被害の点でもより甚大だ」「これまでよりはるかに無差別な攻撃になるため、犠牲者が増える」と述べた。
また「これは非常に粗いやり方だ」とも指摘。ロシアの指導層やプーチン大統領を観察した経験から、ロシアは「人命尊重に関しまったく異なる基準を持っていると判断している」とした。
米当局者はここ数日、ロシアの戦略が軍事目標中心から民間人を標的にした攻撃に転換しつつあるとみられると警告してきた。転換の背景には、首都キエフの早期制圧と政権転覆を狙った当初の計画が失敗したとの認識があるという。
NATOのストルテンベルグ事務総長は4日、「ロシア軍がより重い兵器を持ち込み、ウクライナ各地で攻撃を継続する中、今後数日で状況が悪化し、より多くの死と苦しみ、破壊を伴う可能性が高い」と述べた。
ブリンケン米国務長官も同日、訪問先のベルギー首都ブリュッセルで行った記者会見で同様の見解を示した。