ロシアの旅行会社、ビザ発給停止の影響を実感
(CNN) 業界団体のロシア旅行事業者協会(ATOR)は15日までに、欧州連合(EU)がロシア人に対するビザ発給の手続きを厳格化したことについて、影響を感じつつあると明らかにした。欧州では9カ国がロシア人からの観光ビザを受け付けていない。
EUは先ごろ、ロシア人に対するビザ発給の円滑化措置について、停止する決定を下していた。これにより、ロシア人が欧州を旅行することがより難しくなった。
ATORはウェブサイトで、ビザ発給の円滑化措置が停止されたため、ロシア人はEUの一般的な条件下で「シェンゲン協定」のビザを取得することになると説明した。
旅行会社によれば、今までのところビザを発給したり、受け付けを継続したりしている国々は、イタリアやスペイン、ギリシャ、フランス、ハンガリー、キプロス。注目すべきなのは、発給されるビザはナショナルビザで、欧州の他の国にも移動できるシェンゲン協定のビザではないという点だ。
ATORによれば、ラトビア、リトアニア、エストニア、ポーランド、チェコ、スロバキア、デンマーク、ベルギー、オランダは観光ビザの受け付けを行っていない。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のヨハンソン欧州委員(内務担当)は先ごろ、EU内を旅行することは基本的な権利ではないとの見方を示していた。
ヨハンソン氏によれば、EU加盟各国は、ロシア人からのビザの申請について、徹底的な確認を行うよう勧告されており、領事館が保安上の危険性を認めた場合には申請を拒否する必要がある。
ヨハンソン氏は、記者や反体制派、人権活動家など保護を必要とする人々や家庭の事情で旅行する人々については扉は開かれているとした。