イーロン・マスク氏が「和平案」をツイート、ウクライナ猛反発
(CNN) 米実業家イーロン・マスク氏が3日、ツイッター上で提示したロシアによるウクライナ軍事侵攻の「和平案」に対し、ウクライナ側が強く反発している。
マスク氏がツイートで提案したのは、(1)ロシアが併合を宣言したウクライナ4州での住民投票を国連の監視下でやり直す(2)2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島を正式にロシア領とする(3)クリミア半島への水の供給を保証する(4)ウクライナは中立を維持する、の4点。この案への賛否を投票するようユーザーに呼び掛けた。
だがウクライナや世界各国の多くは、ロシアがウクライナの侵攻先で主権を掌握する可能性を断固否定してきた。
ツイートへの投票は「反対」が大半を占めているが、マスク氏はこれを遠隔操作による「ボット攻撃」のせいだと受け流す立場を示唆した。
マスク氏の経営する宇宙ベンチャー「スペースX」はウクライナ侵攻の初期に、戦地からもインターネットに接続できる通信衛星システム「スターリンク」のサービスを始めて注目を集めた。
だが今回のツイートは逆に反発を買っている。ウクライナのメルニク駐独大使は「失せろ、というのが私からの至って外交的な返答だ」とコメントを書き込んだ。
ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッター上で「皆さんはウクライナを支持するマスク氏とロシアを支持する同氏のどちらが好きか」と質問し、新たな投票を呼び掛けた。
ウクライナ紙「キーウ・ポスト」は「投票を実施するなら自分が知っている事柄を」と、マスク氏を批判した。
一方、ロシアのメドベージェフ元大統領はツイッター上で、同氏に「よくやった」と称賛の言葉を送っている。