インフレが老後を直撃、食費切り詰めも 米国
(CNN) 米国で続くインフレが、年金生活の高齢者を直撃している。南部フロリダ州で老後を過ごす人々に、CNN取材班がインタビューした。
フロリダ州南西部サラソタの高齢者交流センターでトランプのテーブルを囲む男女のグループ。全員が年金生活者で、この1年の物価上昇に暮らしを圧迫されている。
キャサリン・ジェーンズさん(81)は息子に経済的な援助を頼むことにして、少しは楽になった。「何もかも高くて」と話す。
一人暮らしのロン・ロングハーストさん(79)は、夜のつきあいを減らして家にいる時間が増えた。散髪に行こうと思っても、1~2週間先に延ばすことが多い。
アン・スミスさん(82)は好きなコーラを飲む頻度を減らした/CNN
アン・スミスさん(82)は炭酸飲料が大好きで、1日にコーラを1~2本飲んでいたが、最近は1日1本か2日に1本に抑えている。
先月の米国の物価は前年比8.2%も上昇した。特に中部タンパのような都市部では、住居費が高騰している。
中西部ミシガン州で大学カウンセラーの仕事を退職したシャロン・ジョンソンさん(67)と元エンジニアの夫は3年前、タンパに引っ越してきた。
シャロン・ジョンソンさん(67)は家賃が350ドル(約5万円)上がって3100ドルに/CNN
姉妹とおいも呼び寄せ、4人で暮らす家の家賃は今年、350ドル(約5万円)上がって月額約3100ドル(約46万円)になった。光熱費も値上がりし、家計は火の車だ。「食べるのに困ることなどないと思っていたが、今はサンドイッチの軽い食事で済ませている」と話す。家を買う夢は遠のき、今より小さな所へ引っ越すことも考えているという。
年金の給付額は物価変動に合わせて調整され、来年は8.7%と、1981年以来の大幅な増額が予定されている。だが多くの高齢者にとって、まだしばらくは苦しい生活が続きそうだ。