離陸直後、海に向かって急降下 乗客から悲鳴 米ユナイテッド航空便
(CNN) 米ユナイテッド航空の旅客機が昨年12月、ハワイの空港を離陸直後に海に向かって21秒間急降下を続け、海面から約236メートルにまで高度を下げていたことが、航空情報サイトのデータで分かった。
このトラブルは12月18日、ハワイ・マウイ島のカフルイ空港を出発したユナイテッド航空1722便で発生。同航空や米連邦航空局(FAA)によると、けが人はなかった。
航空情報サイト「フライトレーダー24」の記録によると、急落が起きたのは離陸から約1分後。同機は高度約670メートルから約434メートル降下して高度の半分以上を失ったところで加速し、再び上昇を始めた。
同機に搭乗していたロッド・ウィリアムズさん一家は後部座席に座っていたという。ウィリアムズさんがCNNに語ったところによると、同機は最初、正常に飛行していたが、その後数秒間、恐ろしい勢いで急上昇した。
「ジェットコースターの最上部に上がって行くような感覚だった」とウィリアムズさんは振り返る。「機内のあちこちから悲鳴が上がった。みんなが異常に気付いていた」
続いて同機は約8~10秒間、急降下し、その後再び急上昇して、正常な飛行に戻ったという。
ユナイテッド航空は、FAAや操縦士組合と共同で調査を行い、結果として操縦士が追加的な訓練を受けたと説明。調査は今も続いているとした。
この時刻の天候は不明だが、米国立気象局(NWS)によると、この日カフルイは記録的な降雨に見舞われていた。
ウィリアムズさんは今月12日になって、同機が海面にどれほど接近していたかを知った。「あと5~5.2秒で着水するところだったと知って、自分がいかに幸運だったかを思い知った」と話している。