中国投資銀行「華興資本」のCEO、音信不通に
香港(CNN) 中国の首都・北京に拠点を置く投資銀行で、未公開企業への投資も手掛ける華興資本控股(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)は16日、包凡・会長兼最高経営責任者(CEO)と「連絡が取れなくなっている」と公表した。香港証券取引所への提出書類で明らかにした。
これを受け香港では17日、華興資本の株価が一時50%急落し、28%安で取引を終えた。
華興資本は声明で「包氏の音信不通が当グループの事業や活動に関連している、またはその可能性があることを示す情報は把握していない」と述べた。
包氏は中国のハイテク業界で老練なディールメーカーとして定評がある。2015年には中国の食品配達関連の2大有力サービスである美団と大衆点評の合併を仲介。合併後の企業の「スーパーアプリ」は中国の至る所で使われている。
包氏は1990年代後半、モルガン・スタンレーとクレディ・スイスで投資銀行のキャリアを歩み始め、その後は上海や深圳の証券取引所でアドバイザーも務めた。
包氏のチームは米国に上場している中国の電気自動車(EV)メーカー、蔚来(NIO)と理想汽車(リ・オート)に投資しているほか、中国のインターネット大手、百度(バイドゥ)やJDドット・コムが香港に重複上場するのを支援した。
中国の金融メディア「財新」によると、華興資本では先日も同様の混乱が起きていた。財新が匿名の情報筋の話として伝えたところによれば、中国当局は昨年9月、華興資本の叢林総裁を拘束したという。
中国では企業幹部がほぼ何の説明もなく姿を消すことは珍しくなく、包氏の失踪以前にも経済界の有力者が消息を絶つ事案が相次いでいた。