バドライト、米国のビール売り上げトップから陥落
ニューヨーク(CNN) 米国で最も売れ筋のビールは、もはや米国のブランドではなくなった。
米コンステレーション・ブランズがメキシコ市近郊で製造するメキシカンラガー、「モデロ・エスペシアル」が、5月のビール部門のトップセラーに輝いた。一方、米ビール大手アンハイザー・ブッシュのブランド「バドライト」は、20年以上守ってきた首位の座を明け渡した。
バドライトを巡っては先ごろ、トランスジェンダー女性のインフルエンサー、ディラン・マルベイニーさんとのコラボレーションに保守派が強く反発する事態が起きていた。売り上げでの首位陥落により、同ブランドの抱える問題の深刻さが改めて浮き彫りになった形だ。
今月3日までの4週間で、モデロの小売販売のシェアは全体の8.3%を占めた。バドライトは7.3%と2位に後退した。コンサルティング会社のバンプ・ウィリアムズに提供されたNIQのデータで明らかになった。小売売上高はバドライトが同時期に24.4%落ち込んだのに対し、モデロは12.2%増加した。
バンプ・ウィリアムズによると、現在の流れがバドライトにとって有利な方向へ変わる様子はない。
ウィリアムズはCNNの取材に答え、「夏本番に向かう中、モデロ・エスペシアルの売り上げの伸びは毎週拡大している」と指摘。5月から発売した糖質の低い新製品の売り上げも堅調なスタートを切っており、ブランド全体の売り上げを一段と押し上げていると付け加えた。