米FRB議長、「適切なら追加利上げの用意」 ジャクソンホール演説
ワシントンDC(CNN) 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日、追加利上げの選択肢は依然残っており、予想よりも長期間にわたって金利が高止まりする可能性があるとの認識を示した。
ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で演説した。政策決定に当たっては、経済成長や労働市場の状況に細心の注意を払うと改めて強調した。
パウエル氏は演説で「インフレがピークから低下したのは歓迎すべきことだが、依然として高すぎる」と指摘。「適切ならさらに利上げする用意がある。インフレが我々の目標に向かって持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に保つ考えだ」と述べた。
ジャクソンホール会議でのFRB議長の演説は、中央銀行界の一大イベントになっている。その後の金融政策の方向性が示唆されることも多い。
パウエル氏の今回の演説は追加利上げを強く求める内容ではなく、過去1年のインフレの推移や、FRBの想定通りに進んだ場合の潜在的なリスクについてバランスの取れた評価を下す内容だった。パウエル氏は、FRBは必要なら追加利上げをする選択肢を保持しており、最終的な決定はデータ次第だとの考えを明確にした。
パウエル氏の演説を受け、米国株は値を上げて取引を開始。午前の遅い時間帯にいったん下落したものの、その後再び上昇した。
FRBは6月の利上げを見送ったものの、7月にはベンチマーク金利を0.25ポイント引き上げ、22年ぶりの高水準となる5.25~5.5%とした。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が算出するフェッドウォッチによると、金融市場では依然、物価上昇圧力の和らぎを踏まえ、FRBが9月の会合で金利を据え置く可能性が圧倒的に高いと見られている。