ヒルトンホテルがパレスチナ人権団体の会議を中止、「治安上の懸念」理由に
ロサンゼルス(CNN) 米テキサス州ヒューストンのヒルトンホテルが「治安上の懸念増大」を理由に、パレスチナ人権団体が開く予定だったカンファレンスを中止した。
「パレスチナ人権のためのUSキャンペーン(USCPR)」が主催するカンファレンスは今月27日~29日、ヒューストン市内のヒルトンホテルで開催を予定していた。講演には米民主党のラシダ・タリーブ下院議員や政治活動家のリンダ・サルスール氏が登場するはずだった。
同ホテルはCNNに寄せた声明で、従業員や利用客の安全を最優先すると説明。「現在の状況において治安上の懸念が高まっていることを念頭に、従業員と利用客に潜在的危険があることから、このイベントの会場は提供できないと判断した」としている。
一方USCPRは、同イベントの中止について同ホテルから事前の通告はほとんどなかったと説明。アフマド・アブズナイド代表は「ヒルトンによる違反は明らかな民族、人種、宗教差別行為に当たる。しかも我々の団体の政治的立場を理由にカンファレンスを中止することは、(表現・宗教の自由を保障する)米国憲法修正第1条に違反する」「ヒルトンは我々との契約に違反したのみならず、憎悪と偏見の側に立つという強いメッセージを発信した。それを是正するため、我々は今後、あらゆる選択肢を探る」とコメントした。
公式サイトによると、USCPRは米国とパレスチナの連帯運動を支援している団体。タリーブ下院議員は「権力の中枢においていかに正義を要求できるか」をテーマに基調講演を行う予定だった。