途上国の対中債務、少なくとも166兆円 返済期限迎えるも多くの国が財政難
エイドデータが依拠するデータは、中国政府及び国有の金融機関が低中所得国向けに2000~21年にかけて貸し出した資金に関するものであり、その総額は1兆3400億ドル。中国の財政活動は不透明なことで知られるが、これらのデータは個々の貸し付けや補助金にまつわる公式情報の収集を通じて作成した。
研究者らはこの他、貸し手側がスイスにある国際決済銀行(BIS)に報告したデータも引用している。これによると途上国が中国に負っている債務は、21年の時点で1兆1000億~1兆5000億ドルに上ることが示唆される。
エイドデータによれば、中国から途上国への財政支援はパンデミックの始まりに伴って減少した。16年に1500億ドル近くのピークに達していたこれらの金額は、20年には14年以来の低水準となる1000億ドル未満に落ち込んだ。
ただ貸し付け自体は依然として数百億ドル規模の水準にあることが、エイドデータの直近のデータからうかがえる。21年の支援は補助金と貸し付けを含めて790億ドルと、前年から50億ドル増加した。
一方、世界銀行が21年に行った財政支援の総額は5300万ドル前後だった。