米国立動物園のジャイアントパンダ、中国に返還 50年以上続いたパンダ外交の「休止」
(CNN) 米首都ワシントンのスミソニアン国立動物園で飼育されていたジャイアントパンダの親子3頭が8日、中国に向けて出発した。同動物園で50年以上続いてきた中国のパンダ飼育の終わりだった。
ティエンティエン(添添)とメイシャン(美香)、その2頭の間に生まれたシャオチージー(小奇跡)は現地時間の午後1時ごろ、フェデックスの航空機でダレス国際空港から飛び立った。
ジャイアントパンダは1972年に始まった「パンダ外交」の一環として、米国で初めてスミソニアン国立動物園に到着した。今回の返還について同動物園の関係者は、50年あまり続いてきたパンダ外交の「休止」と形容している。継続するかどうかについて、中国当局者はまだ明言していない。
米中のパンダ外交は、当時のニクソン米大統領(右)の中国訪問を受け1972年に始まった/AP
これで中国から貸与されたジャイアントパンダがいる米国内の動物園は、アトランタ動物園のみとなった。しかしアトランタ動物園の4頭も来年には貸与期限が切れる。延長の話は出ていない。
ジャイアントパンダの「ヤンヤン」(左)と「ルンルン」=1999年11月、米ジョージア州アトランタ動物園/Steve Schaefer/AFP/Getty Images
中国はジャイアントパンダを政治や外交の目的で利用していることを認めている。米国との関係について中国外務省報道官は「双方の間で良好な協力関係が形成されて実を結び、絶滅危惧種の保護に役立った」とコメントした。