富士通幹部が謝罪、補償に「道徳的義務」 英郵便局冤罪で

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英ロンドン郊外ブラックネルにある富士通の英国本社ビル/Adrian Dennis/AFP/Getty Images

英ロンドン郊外ブラックネルにある富士通の英国本社ビル/Adrian Dennis/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN) 富士通の会計システムの欠陥が原因で英郵便局の局長らが誤って窃盗や詐欺などの罪に問われた、英国史上最大の冤罪(えんざい)事件で、富士通の幹部は16日英議会で証言し、被害者に賠償する「道義的義務」があると述べた。

この事件では、1999年から2015年にかけて、当時英政府が所有していた郵便事業会社ポスト・オフィスの郵便局の局長ら700人以上が現金の窃盗や詐欺の罪に問われた。しかし実際には、郵便局で使われていた富士通の会計システム「ホライズン」の不具合で現金が少なく表示されていたことが後に明らかになった。

罪に問われた人の一部は収監され、被害者の中には悲観して自殺した人もいたという。

富士通の欧州地域の責任者、ポール・パターソン氏は議会で「システムにバグやエラーがあった」と認め、「本当に申し訳なく思う」と謝罪した。

この冤罪をめぐっては、これまでに2700人を超える現・元郵便局長らが政府の制度を通じて金銭的補償を受けたが、その多くは補償が十分ではないと指摘し、富士通も補償すべきと主張している人も多い。

補償についてパターソン氏は「会社には補償に貢献する道義的義務があると思う」「郵便局長のための救済基金で果たすべき役割がある」などと述べた。

事件をめぐっては20年に公開調査が始まった。パターソン氏は、富士通が賠償金をいくら支払う必要があるのか、調査終了後に政府と話し合うことになるとの見方を示した。

この冤罪についてはこれまでも度々メディアで取り上げられてきたが、今月初めにテレビドラマで被害にあった郵便局長らの悲劇が取り上げられたのを機に、冤罪に対する社会の怒りが高まっていた。

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