ボーイングの新規受注、1月は実質ゼロ コロナ禍以降で最悪
ニューヨーク(CNN) 米航空機製造最大手「ボーイング」は17日までに、新規に受注した旅客機は今年1月に3機のみとし、その機種は全てが737型MAXシリーズだったと報告した。
航空輸送のほぼ全面的な停滞を招いた新型コロナウイルス禍の最盛期以降で、月間単位の受注件数としては最悪の水準となった。同時にMAXシリーズの3機の発注が同月には撤回されており、受注件数は実質的にゼロとなっている。
同社の製造機は、米アラスカ航空のMAXシリーズ9型機が飛行中に機内側壁が吹き飛ぶ事故を起こして以来、品質管理や安全対策のあり方が厳しく問われている。
ボーイングの受注件数が3機以下となったのは2020年6月の1機のみ以来となった。
MAXシリーズは同社の稼ぎ頭の機材となっていたが、18、19両年に海外で起きた墜落事故2件を契機に需要が急減。事故後は20カ月にわたる運航停止の処置を受け、社の業績に打撃を与えてもいた。
ただ、昨年12月には受注が合計369機と月間記録としては最高となり、新型コロナ禍の落ち着きを受けた顧客の機材確保の意欲の高まりとも受け止められていた。
この中でのアラスカ航空事故の発生は、ボーイング社の今後の業績のさらなる改善に水を差す結果ともなった。米国家運輸安全委員会(NTSB)は、アラスカ航空事故の原因について使用しない場合に非常ドアをふさぐパネルを固定するプラグ4個の装着がみられなかったとの暫定的な見方を公表。事故機はボーイングからアラスカ航空へ昨年10月以降に届けられていたことも判明した。
NTSBはボルトをはめていなかった過失の直接的な責任者の特定はしていない。ただ、ボーイング社のカルフーン最高経営責任者(CEO)は「問題を起こしたのは我々だ」との認識を示している。