新型コロナ・インフルのワクチン同時接種、高齢者の脳卒中リスクわずかに上昇か 米研究
(CNN) 高齢者は新型コロナウイルスとインフルエンザのワクチン接種によって、脳の血栓による脳卒中のリスクがわずかに上昇する可能性があるという調査結果を米食品医薬品局(FDA)が発表した。特に両方のワクチンを同時に接種した場合、および85歳以上の高齢者のリスク上昇の可能性を指摘している。
FDAの専門家チームは、メディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険)の保険料請求に関する記録を調査した。
新型コロナとインフルのワクチン同時接種で高齢者の脳卒中リスクが高まると指摘した研究は、これで2件目だった。
米疾病対策センター(CDC)とFDAの1月の発表によると、ファイザーの新型コロナ2価ワクチンと、高容量またはワクチン効果を高めるアジュバント添加のインフルワクチンを同じ日に接種した高齢者について、わずかで不確実な脳卒中リスクが安全モニタリング調査で指摘された。これを受けてFDAは、高齢者のワクチン接種後の脳卒中に関するより広範な調査に乗り出した。
FDAの調査で確認された脳卒中や一過性の脳虚血発作は、10万件の接種につき約3件の割合だった。これは主に、高容量またはアジュバントを添加したインフルエンザワクチンが原因だった可能性があることも分かった。
メディケアの請求データをさらに詳しく調べた結果、高容量のインフルエンザワクチンのみを接種した65歳以上の高齢者も、脳卒中リスクがわずかに高くなることが判明した。高容量のインフルエンザワクチンによるリスクの上昇は、10万件の接種につき脳卒中1~2件だった。
CDCの専門家は25日、「新型コロナの2価mRNAワクチンを単独あるいはインフルエンザワクチンと同時接種した場合の虚血性脳卒中について、入手可能なデータでは安全問題を裏付ける明白かつ一貫性のある証拠にはならない」と説明した。