紅海での攻撃受け海上輸送費が233%の急増、海運業界の試練続く

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フーシの攻撃を受けて沈没したギリシャ船籍の石炭運搬船「MVチューター」=12日/Etat-Major des Armées/France/AP

フーシの攻撃を受けて沈没したギリシャ船籍の石炭運搬船「MVチューター」=12日/Etat-Major des Armées/France/AP

ロンドン(CNN) 中東イエメンに拠点がある反政府武装組織「フーシ」による紅海での商船などへの攻撃多発を受け、40フィート型のコンテナ1個の海上輸送費が東西を結ぶ主要な8海路で5117米ドルと、1年前に比べ233%の急増を記録していることが22日までにわかった。

英国に拠点がある海運コンサルタント企業「ドリューリー」が報告した。今月20日までの1週間内での価格水準とした。

デンマークに本拠がある「マースク」などの海運企業は船舶の運航業務が中断される事態に備え、緊急割増料金も設定。先月にこの料金の一部を値上げした同社は声明で、紅海の複雑な情勢が世界規模でのサプライチェーン(供給網)にもたらす波及効果はここ数カ月間、強まっていると指摘した。業務遂行上の障害に伴いさらなるコスト増に直面し続けているとも主張した。

マースクや「ハパックロイド」などの大手海運企業は、紅海情勢の不穏を受け航路を変更し、航行時間がはるかに長くなるアフリカ大陸最南端部沖を回る措置を強いられている。

海上貨物輸送関連企業「フレイトス」によると、この航路の迂回(うかい)によって一部の港では混雑も発生。この傾向はシンガポール、マレーシア、上海やバルセロナの港でみられるとした。予定通りの出港が見込めない船舶の航行中止なども起きているという。

船舶運航の遅延や海上輸送のコスト増加は季節物の商品を扱う企業にも悪影響を与える結果となっている。

紅海は、世界の海上貿易量の10~15%を占めるスエズ運河とつながる要路となっている。

フーシによる紅海通過の商船などへのミサイルやドローン(無人機)を用いた攻撃は止まる気配もない。今週には2隻目の貨物船が沈没する事態も起きていた。

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