フーシ攻撃の船舶、紅海で沈没か 2隻目
(CNN) ギリシャ企業が所有・運航する石炭運搬船が、イエメンの反政府武装組織「フーシ」による攻撃を受けて紅海で沈没したとみられることが、英海軍の関連機関である英国海運貿易オペレーション(UKMTO)の報告書で明らかになった。
沈没したのは「MVチューター」で、フーシの攻撃で沈没した船舶としては3月に弾道ミサイル攻撃で沈んだ貨物船「ルビマー」に次いで2隻目とされている。
昨年10月のイスラム組織ハマスによる奇襲を受けてイスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区に侵攻してから、ハマスとの共闘を宣言しているフーシは紅海やアデン湾を航行する船舶を繰り返しミサイルやドローン(無人機)で攻撃している。
UKMTOによると、MVチューターは今月12日にまず小型ボートに衝突され、その後、「未知の飛翔(ひしょう)体」による攻撃を受けた。米中央軍は先週、攻撃で同船の乗組員1人が行方不明になっていると明らかにした。
マニラに到着したMVチューターの乗組員(中央)17日/Jam Sta Rosa/AFP/Getty Images
UKMTOによると、乗組員全員が退去した後に同船は漂流し、18日に沈み始めた。
これより前にフーシの報道官は、MVチューターが「占領されているパレスチナの港への入港禁止」を破ったために、海上ドローン(無人艇)などの攻撃を受けたと主張していた。
一方、米中央軍は「フーシはガザのパレスチナ人のためと言っているが、ガザでの紛争とは何の関係もない第三国の人々の生命を危険にさらしている。国際貿易を脅すことにより、イエメンやガザの人々が渇望している物資の運搬も困難にしている」とX(旧ツイッター)で非難した。
米中央軍は今月初め、紅海を航行する船舶を狙うのに使用されてきたイエメン内にあるフーシの複数のレーダーを破壊したという。