犬や猫の「保護施設」は強制収容所? 法案に動物愛好家が反発、トルコ
しかしイスタンブールの動物愛護団体幹部を務める弁護士は、「法案には、飼い主に連れられていない動物を集めるという条項がある。つまり、例えば私の愛犬のように飼い主がいる場合でも、もし逃げ出して通りをうろついているところを見つかれば、狩り集められてしまうかもしれない」と危惧する。
トルコの街角を歩くと至る所で犬や猫に遭遇する。イスタンブールでは、野良犬や野良猫の面倒を見ているカフェやバーも珍しくない。バーの客がアルコールを楽しむ隣で、猫がいすを占領してミルクを飲んでいたりする。精肉店や露店が近所の野良犬や野良猫に餌をやるのもごく普通の光景だ。
イスタンブールのタクシム広場で露店を営む男性は、隣で秋の日差しを浴びて昼寝していた白い犬に、「こいつがそばにいてくれるとうれしい」と目を細めた。この男性は、最近、自分が餌を与えていた野良犬が少なくとも5匹、市の職員に連れていかれたと話し、「国が動物たちの面倒を見られる保証がないのなら、私たちが面倒を見る」と力を込める。
なお、法案には動物虐待に対する罰則の強化も盛り込まれ、虐待して死なせた場合は2年以下、性的搾取に対しては1年以下の刑事罰を定めた。この条項については愛護団体からも異論は出ていない。