犬や猫の「保護施設」は強制収容所? 法案に動物愛好家が反発、トルコ
イスタンブール(CNN) トルコの政府が野良犬や野良猫を集める施設の建設を盛り込んだ法案を提案したことに対し、動物愛護団体などが反発して各地で抗議活動を展開している。
最大都市イスタンブール中心部で9月下旬に行われたデモ行進には、数千人が愛犬を連れて参加した。抗議行動に加わったテレビ番組司会者は「この法律のために何十万匹もの犬や猫や小動物が殺されるかもしれない。素晴らしい動物たちの声なき声を、私たちが代弁しなければならない」と訴える。
愛犬家たちの念頭にあるのは、1910年に起きた「犬の大虐殺」事件だ。当時の政府はイスタンブール近代化の一環として、大量にいた野犬を狩り集めてマルマラ海の孤島に連れて行き、飢え死にさせた。
この記憶が今でも新しい動物愛護活動家は、政府が今回の法案に盛り込んだ「自然生息公園」の実態は「強制収容所」になりかねないと危機感を募らせる。抗議活動はここ数週間で、イスタンブールからトルコ各地に広がった。
法案によれば、自然生息公園は都市の郊外に建設し、保護施設に収容し切れない野良犬や野良猫を、里親が見つかるまで一時的に収容する。法案を推進する森林・水省では、その目的は飼い主のいない動物たちを保護することにあると強調。保護した動物はきちんと面倒を見て、餌を与え、快適な生活を保証すると説明している。野犬狩りなどを行う予定もないと強調した。