小惑星、2040年に衝突の可能性なし NASAが発表
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は23日までに、2040年に地球に衝突する可能性がわずかにあるとされてきた小惑星「2011AG5」について、衝突の恐れはなくなったと発表した。
2011AG5は直径約140メートルの小惑星で、40年2月に1%以内の確率で地球に衝突すると試算されていた。衝突した場合の衝撃は広島型原爆の数千倍に当たる100メガトンともいわれていた。
ハワイのマウナケア山にあるジェミニ望遠鏡による新たな観測結果を分析したところ、従来の60倍の精度で進路を予測することが可能となり、地球から89万キロ以内に接近することはないことが確実となった。これは月までの距離の2倍以上に相当する。
NASAの呼び掛けに応じたハワイ大学マノア校のチームが10月、数日間にわたる観測に成功した。太陽に近いため、小惑星が観測可能な場所に上ってから空が明るくなってしまうまでの約30分間を狙って観測を試みたという。低い位置での観測は大気による光の散乱が強いほか、小惑星の形が細長い形状をしているためタイミングによっては明るさが3~4分の1になってしまうなど、数々の困難を克服しての成功だった。