猫は最強の「殺し屋」?、毎年数百億の鳥やネズミが犠牲に 米研究
(CNN) 世界で最も多くの命を奪っている生き物といえば、サメ、ライオン、それに人間などを思い浮かべるかもしれない。しかし猫はそれを上回る「殺し屋」だった――。米スミソニアン保全生物研究所などの研究チームが31日までに、そんな調査結果を発表した。
それによると、米国内でイエネコが年間に殺す鳥類は14億~37億羽、ネズミなどの小型げっ歯類は200億匹。特に野良猫は、米国の鳥類と哺乳類にとって最大級の死の要因に挙げられるという。この研究は科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に29日に掲載された。
猫は愛らしい姿をしていても、高度な殺しの能力を持つ。その能力は自然界に深刻な影響を及ぼしかねないと調査チームは警鐘を慣らし、当局に対策を求めている。
米鳥類保護団体のジョージ・フェンウィック会長も「鳥類が絶滅し、あるいは個体数が減少するたび、我々人類が依存している生態系が変わっていく。この問題は保護の観点から直ちに注目する必要がある」と指摘する。
国際自然保護連合の絶滅危惧種調査でも、鳥類や哺乳類、爬虫類の絶滅と、放し飼いの猫との関係を指摘している。
猫はライオンやトラと違って、獲物の後を付けるか、物陰に潜んで待ち伏せして近くに来るのを待って飛びかかる戦法で狩りをする。猫を放し飼いにしている飼い主なら、飼い猫が得意げに持ち帰った動物の死骸を処分する羽目になったことがあるだろう。