成功の証しの大型犬が香港でも人気 「密輸」などの問題も
(CNN) 中国本土で富裕層のステータスシンボルとしてもてはやされている超大型犬、チベタン・マスティフの人気が香港にも飛び火している。しかし、蒸し暑く、人口密度が高い香港で飼うことの難しさに加えて、需要増大で本土からの密輸が増えれば、狂犬病などの病気が入り込むといった新たな危険を招きかねないなど、専門家からは懸念の声も上がっている。
香港の5階建てのビル屋上で飼育されている「タイガー」は体重80キロ。見知らぬ人が近付くと激しく吠えかかるが、飼い主が鎖を自分の腕に何重にも巻きつけてケージから連れ出すと、穏やかで愛らしいペットに変身する。
中国本土では75万米ドル(約7400万円)の高値がついたという逸話もあるチベタン・マスティフ。もともとはチベットでオオカミやユキヒョウといった外敵から群れを守る犬として飼育されてきたため、敵とみなした相手に対して獰猛(どうもう)になる性質がある。
平均的なアパートの広さが45平方メートルという香港でこの犬を飼うことは、危険との隣り合わせを意味する。
タイガーもかつては室内で飼っていたが、飼い主によれば、「ある日開け放っていた玄関から飛び出して近所の男性を襲った。この犬種はいったん噛みついたら放さない。男性は20針ぬった」という。
幸い、この男性は大目に見てくれたものの、飼い主は2000香港ドル(約2万5000円)の罰金を払う羽目になった。