仏大統領府、高級ワイン1200本を競売に 経費節減で
(CNN) パリの競売会社ドゥルオーは3日までに、エリゼ宮(大統領府)所蔵の高級ワイン約1200本を今年5月末の競売に出品すると発表した。歴代の大統領が晩さん会などに出した銘柄を含む。
仏政府は他の欧州諸国と同様、緊縮財政を強いられており、今回のワイン放出は財源ねん出努力の一環。今後はより廉価なワインを揃えるとしている。
競売に出されるのは、エリゼ宮が保有するワインの総本数の1割。出品のワインの多くはボルドーやブルゴーニュが産地だという。
競売では、ワインマニアが100ユーロ(現在の為替相場では約1万2800円)以下でこれらの高級ワインの多くを入手出来る機会となる。競売での価格幅は15ユーロから2200ユーロになる見通し。
ドゥルオーは、ワインの競売の売上高は25万ユーロに達すると予想している。仏の財政赤字は現在、1000億ユーロに膨らんでいる。
欧州諸国の政府が経費削減を狙って所蔵ワインの売却に踏み切ったのは今年になって2例目。英国政府は3月、競売商クリスティーズと組んでワインを出品し、7万5000ポンドの売上金を得ていた。現在の為替相場では約1163万円相当だが、外国の賓客をもてなす費用の一部に充てると説明していた。