太陽光で24時間飛べる有人機、米大陸横断に挑戦
速度は時速約70キロと極めて遅く、「進路を保つのが非常に難しい」とピカール氏。最も危険なのは乱気流に遭遇することで、雲の中や山間部付近を通過するときは危険が伴う。サンフランシスコの金門橋付近では、これまで経験した中でも特に強い乱気流に遭遇したという。万が一に備えてパラシュートは準備してあるものの、まず使うことはないだろうとピカール氏は話す。
胴体部分には車輪が1脚と小さな操縦室があるのみで、トイレはない。「離陸時は自分の右側に水がいっぱいに入ったボトルが、左側には空のボトルがある」「着陸時はそれが逆になっている」(ピカール氏)という仕組みだ。
ピカール氏は1999年には同僚と共に気球を使ったノンストップの世界一周を初めて成功させた経歴を持つ。
共にソーラーインパルスの操縦を担当するアンドレ・ボルシュベルグ氏(60)は、スイス空軍の戦闘機パイロットを経てプロジェクトに加わった。同機が24時間飛行を成功させた際は、同氏が操縦を担当していた。