火星往復で浴びる放射線、許容限度超える恐れも NASA
キュリオシティが2012年の火星到達までにかかった日数は253日だった。しかも、今回推計しているのは火星まで往復する間に浴びる放射線量のみ。宇宙飛行士が火星に滞在すれば、さらに多くの放射線を浴びることになる。
NASAの専門家によると、被曝(ひばく)の原因となる放射線の大部分を占める銀河宇宙線は、完全に遮断しようとすれば厚さ数メートルもの隔壁が必要になり、重すぎて宇宙船には乗せられない。また、太陽フレアやコロナ質量放出といった太陽活動によって生じる太陽エネルギー粒子線も問題になる。
NASAは2030年代に人類を火星に送り込む計画で、それまでにエンジンを改良して火星到達までの日数短縮を目指す。また、銀河宇宙線や太陽エネルギー粒子線を遮断するための技術開発も進めている。