地球温暖化で熱中症の死者倍増も? 米研究
(CNN) 地球温暖化に伴う気温上昇の影響で、熱中症などによる死者は今後数十年にわたって増え続ける見通しだという。コロンビア大学などの研究チームは、地球温暖化が人の健康にも深刻な影響を及ぼしかねないと警鐘を鳴らしている。
この研究はネイチャー系列の科学誌に発表された。ニューヨーク・マンハッタンの1980年代の気温と熱中症による死者の数を調べ、それを基に今後の増加率を予測している。
それによると、熱中症による2020年代の死者は、1980年代に比べて約20%増える見通し。さらに2050年代は49%増、80年代までには2倍近い91%の増加になると予想した。
半面、気温が上昇すれば寒波のために死亡する人は減る見通しだが、その数を差し引いても死者数は増加が予想されるという。減少分を差し引いた実質の死者増加率は、2020年代が6.2%、50年代が15.4%、80年代が31%と予想している。
ただ、これは21世紀の終わりになっても依然として温暖化ガスの排出量が増え続けていると想定した場合の数字で、排出量削減に取り組んだ場合、死者数はわずかに減少が見込まれる。それでも2080年代の死者数は、1980年代に比べて50%の増加が見込まれる。
ニューヨークは既に気温上昇に対抗するための戦略を立てているといい、木を植えたり屋上で植物を育てたり屋根を白く塗ったりするだけで、気温を抑える一助になると研究者は指摘している。