世界各地でクラゲが大量発生 水温上昇や乱獲が原因か
(CNN) 世界各地の海岸でクラゲの大発生が目立ち、海水浴客がクラゲに刺されるケースが相次いでいる。専門家らによると、水温の上昇や天敵となる生物の乱獲が原因とみられる。
オーストラリアで活動する米国人科学者でクラゲ大発生についての著書があるリサ・アン・ガーシュウィン博士によると、この現象はフランスとスペインの地中海沿岸や米東海岸のチェサピーク湾、オーストラリアのグレート・バリア・リーフ、ハワイなど、世界各地の人気リゾートで急増している。「ハワイでは1日に800~1000人がクラゲに刺されることもある。スペインや米フロリダ州でも、大量発生の時期に50万人が刺されたという話も珍しくない」
スウェーデンの原子力発電所では10月初め、大量のクラゲが冷却水の取水口に住みつき、原子炉の運転を手動で停止する事態となっていたことが判明。アイルランドの新聞は、同国でクラゲが大量発生して養殖のサケ数千匹が死んだと伝えている。
欧州南部では今夏、クラゲがかつてないほどの規模で増殖した。専門家によれば、地中海に生息するクラゲの数は何年も前から増加の一途をたどっている。
ガーシュウィン博士によれば、クラゲは世界中のどんな深さの海にも生息するが、毒性の強いクラゲは特に南北の緯度が40度以上の場所に集中している。