宇宙漂う探査機、3年ぶり起動 初の彗星着陸に挑む
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の探査では、地表図を作成して11月に着陸機「フィラエ」を送り込み、太陽接近に伴う変化を観測する計画。フィラエはもりを撃ち込んで、直径約4キロの彗星核に取り付き、地表を20センチほど掘削して成分を分析する。
このプロジェクトが成功すれば、彗星についての理解が飛躍的に深まると期待される。彗星は大量の氷でできていることから「汚れた雪玉」とも形容される。研究チームはその構造について、さらに詳しく解明したい意向だ。
ESAのマット・テイラー氏は、「彗星とのランデブーはこれが初めて。太陽に最接近する彗星をエスコートするのも初めてになる」「これまでの探査では彗星の近くを高速で通過するだけだった。ロゼッタは地表から5キロ以内にまで接近して着陸機を投入し、彗星に歩調を合わせる」と説明する。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は周期の短い彗星として知られ、6年ごとに太陽に接近している。これと比較して、約76年の周期を持つハレー彗星が次に地球に近づくのは2061年になる。