中国の月探査機にシステム異常、夜間に「凍死」の恐れ
(CNN) 中国が月面に着陸させた探査機「玉兎(ぎょくと)号」がトラブルに見舞われ、故障したまま復旧できない可能性も出てきたことが28日までに分かった。国営新華社通信が伝えた。
玉兎号は昨年12月に着陸機「嫦娥(じょうが)3号」と共に月面に着陸。3カ月かけて月面を探査する予定だった。
しかし新華社によると、機械制御システムに異常が見つかり、担当者が夜を徹して修理を試みたものの、このまま月の夜に入れば復旧できなくなる可能性があるという。
月の夜は地球時間で約14日間続き、月面の温度はマイナス180度にまで低下する。この環境で持ちこたえるためには「冬眠状態」に入って電力を節約する必要があるが、故障でうまく冬眠ができなければ、そのまま「凍死」する恐れがある。
玉兎号、嫦娥3号とも、12月下旬から1月第2週まで続いた月で最初の夜は切り抜けていた。嫦娥3号は24日から無事に冬眠状態に入り、あと1年は正常に動作できる見通し。
新華社通信は玉兎号自身の声を伝える形で、「もし私が修理できなかったら、みんなで嫦娥をなぐさめてあげて」と呼びかけ、「太陽が沈み、温度は急速に下がっている。でも私はそれほど悲しいとは思わない。これが私の冒険物語で、どんなヒーローにもあるように、ちょっとした問題に突き当たった」「地球よ、おやすみ。人類よ、おやすみ」と締めくくった。