浅黒い肌に青い目の狩人 7000年前のDNA
(CNN) アフリカ系の濃い色の肌に、北欧系の青い目――。スペイン北部で発掘された男性の遺骨のDNAから、こんな想像図が浮かび上がった。
遺骨はリオン近郊の洞窟(どうくつ)で2006年に見つかり、現場の地名を取って「ラブラナ1」と名付けられた。生きていたのは約7000年前の中石器時代。農耕が始まる新石器時代より古く、狩猟採集生活を送っていたとみられる。
スペインの国立科学研究機関CSICがデンマークの機関と協力して遺骨のDNAを解析し、英科学誌ネイチャーに結果を発表した。
それによると、ラブラナ1は遺伝学的に現在の北欧人に最も近く、瞳の色は青かったが、肌の色を決める遺伝子はアフリカ系だった。「濃さは分からないが浅黒い色の肌だったことが分かる」と、CSICの研究者は話す。
洞窟は山岳地帯にあって気温が低く保たれていたため、DNAが完全に近い形で保存されていたという。チームは今後、同時に発見されたもう1人の遺骨の解析を試みるとしているが、保存状態はラブラナ1ほど良好ではないという。