136億年前に誕生した「最古の星」、銀河系に 豪チーム
(CNN) オーストラリア国立大学の天文学者らがこのほど、今までに観測されたどの天体よりも古い恒星を銀河系内に見つけたと発表した。この星は約136億年前に誕生したとみられる。
同大学のステファン・ケラー博士が英科学誌ネイチャーに報告したところによると、最古の星は「SMSS J031300.36―670829.3」と名付けられた。地球と同じ銀河にあり、過去に撮影された星空の画像にもかすかに輝く姿が写っていた。地球からの距離は約6000光年と、天文学上の数字としては比較的近い方だ。
これまで観測史上最古とされていた132億年前の恒星からさらに4億年さかのぼり、宇宙誕生(ビッグバン)の後間もなく誕生した計算になる。
ケラー博士らは南天の星のデジタルマップを作成するプロジェクトの一環として、豪サイディング・スプリング天文台のスカイマッパー望遠鏡で約6000万個の星を観測。この中から古そうな星200個を選び出し、南米チリのラス・カンパナス天文台にあるマゼラン望遠鏡でさらに詳しく調べた。
星の古さを知るには、鉄の含有量が手掛かりになる。チームによれば、スカイマッパー望遠鏡では星が発する光を測定することによって、鉄をあまり含まない星、つまり古い星を見つけることができるという。
ケラー博士はCNNとのインタビューで「星はタイムカプセルのようなもの。この星も誕生当時の宇宙のサンプルを取り込んでいるはずだ」と話し、今後の観測が初期の宇宙の様子を詳細に把握する研究で役立つことに期待を示した。
同博士によると、宇宙の初期に誕生した星の大半はすでに大爆発を起こして死んでいったとみられ、今後同じような古さの星が見つかる可能性は低いという。